COLUMN

ノルウェーのデザインと文化

伝統の中に取り入れる新しさ

コラム03

ノルウェーでは、自宅やヒュッテを自分で建てる人も少なくありません。住宅メーカーは基礎工事からキッチンや風呂場までの材料一式をパッケージ販売しており、間取りや好みのデザインを選べば、必要な材料が工場から送られてきます。諸条件にもよりますが、建坪150㎡(約45坪)くらいで、約6000万円弱というところでしょうか。人件費が高いノルウェーでは、軽費削減のために自分の手で家を建てるのが一般的です。

親兄弟や友だちの家、そして自分の家と、大規模な改修や本格的な家づくりを経験し、数を重ねるごとに腕前が上がっていきます。こうした大規模な工事でなくても、夏になればノルウェー人は必ず家の手入れをします。屋根や壁のペンキの塗り替えや、テラスにオイルを塗ったりと、いつまでも太陽が沈まない白夜に人々は家の手入れに精を出します。

手入れをして住まいや家具を長く使い続けるのは、家族の歴史を大切にする姿勢です。祖父母の代から譲り受けた家具なども、あちこち修理してペンキを塗り直して使い続けます。各地で開かれる蚤の市はいつでも大盛況で、古いクッキーの缶から大型家具まで、人々は気に入ったものがないかと目を皿のようにして探し回ります。

よく手入れされたモダンなデザインの室内に、歴史を感じる古いものが仲良く共存する暮らし。それは、保守的でありながらも新しい世界を切り開いていく、ノルウェー人のメンタリティーとどこか似ているようです。


ノルウェーのワークライフバランス

コラム04

一般的に、ノルウェーの人々の勤務時間は朝8時から夕方4時まで。基本的に残業は少なく、4時前後には仕事を切り上げて子どもたちを迎えにいきます。子どもたちと家に帰ったら、夕食は少し早い夕方5時頃。すぐに食べられる焼いた魚か肉に温野菜のつけ合わせなどの夕食です。その後、子どもたちは友だちと遊んだり、スポーツクラブの練習に出かけます。夜7時頃、戻ってきた子どもたちがヨーグルトとパンなどの軽い夜食を食べてベッドに入ると、大人の時間がやってきます。

ノルウェーでは、フレックスタイム制や、自宅勤務を許可している企業も多く、自宅のコンピュータからログインすれば、オフィスと同じ作業環境にアクセスできる仕組みが提供されています。これで、オフィスで残業せずに、子どもたちが寝静まった夜、自宅で残りの仕事を片づけることもできるというわけです。

北欧には専業主婦はいないといわれます。ノルウェーでは女性が一人でも自立できる制度もあるためか、最近は事実婚を選ぶカップルも多いようです。

ところで、ノルウェーは世界で初めて男性に育児休暇制度を制定した国。その影響もあるのか、平日に子どもと一緒にいる父親を非常に多く見かけます。育児休暇を取得中の男性は、当然ほぼ一日中子どもと一緒に時間を過ごします。それ以外の父親も帰宅時間が早いので、帰宅後に子どもと一緒に外出したり、遊んだりする時間がたっぷり。おむつ替えからしつけまで、育児について男女が同等に役割をこなすという点も、ノルウェーの男女参画社会※は成熟しているといえます。

※女性の社会進出を推進する上で雇用の際に性別を採用条件とすることは禁止されており、上場企業の取締役会では男女がそれぞれ40%以上を占めなければならないと定められています。

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